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『がん』と『うつ』の関係性

目次

『がん』と『うつ』には、関係があるの?

 現代は2人に1人が、がんにかかる時代と言われています。
 1年間間で、がんと診断される数は、2018年のデータで980,856例、死亡数については、2019年376,425人と言われています。(参考資料:国立がん研究センターがん情報統計データより)

 「がん」は、みなさまの生活の中でも、身近な話題として取り上げられることが多いかと思います。
 
 では、「がん」と診断されたら、人はどのような心の状態になるでしょうか?

 以前に、がんのメンタルケアについて記載しましたが(詳細は下記)、
今回は「がん」と「うつ」との関係性について、より深く掘り下げていきたいと思います。

がんと心のケアの歴史

 少し遡りますが、今から約15年前の2007年に、がん対策推進基本計画が策定され、それに基づいて、「すべてのがん患者および、その家族の苦痛の軽減と療養生活の質の維持向上」が明記され、
がん患者やその家族に対する「生活の質」(QOL : Quarity of life)の向上が義務付けられました。

 そこから、日本でも、心のケアが重要視されるようになり、がん治療の初期段階から、緩和ケアが実施されるようになりました。
 
 ちなみに、緩和ケアとは、がん自体の痛み、倦怠感などの身体的症状をはじめ、不安や悲しみ、などの精神的な苦痛を和らげるためのケアのことを言います。(参考資料:緩和ケアネットより)

 また、前述したがん対策推進基本計画により、がん医療に関する相談支援センターが設置されたり、がんにまつわる様々な情報の提供や、患者本人の病状などの情報開示が積極的になされるようになりました。
それまでは、がんと診断されても、患者本人にはそのことは告げず、家族がずっと隠し通しておくというような状況が一般的でした。

『がんとうつの関係』とは・・・

 現在では患者本人に、がん告知をすることは一般的になってきましたが、その一方で、真実を知ったことにより、不安や恐怖をより感じるようになり、精神的に錯乱することも、決して少なくはありません。
 がんが不治の病と思われていたころには、家族が本人の気持ちに配慮し、真実を隠した所以も理解できることでしょう。

 がん告知をされたことをはじめとして、手術や放射線治療、抗がん剤治療など、がん治療に対する心配や不安、病気による生活の質の低下、自分がどれくらい生きられるのか、いつ死んでしまうのかという将来への恐怖、がんの再発に対する心配、仕事をはじめとする社会との関わり方の変化など・・・

 このように、がんと告知されたあとから、本人だけではなく、ご家族も含めて、常に精神的なストレスに晒されているのが現状です。
 
 実際に、がんの病期にかかわらず、がん患者の約半数にうつ病や適応障害がみられ、さらに、終末期になると、その割合は70%くらいにまで達すると言われています。

このように、「がん」と「うつ」には、切っても切り離せない関係性があるのです。

がんに罹ったときの心のケアについて

 では、がんにかかった時、どのようにすれば、うつにならないのでしょうか?

 「これをすれば、うつにならず、すべて解決する」というような治療法や特効薬は、残念ながらありません。
しかし、がんにかかったご本人、ご家族が「限りある『生』をどのように前向きに、悔いなく生きていくのか」ということを考え、がんとしっかり向き合うことで、精神的なダメージはより少なくなり、うつになる可能性も下がることでしょう。

 もちろん、うつ症状や不眠症状などを一時的によくするための薬はたくさんあります。しかし、薬を飲むだけでは対症療法にすぎず、がんによる鬱症状の根本的な解決には至らないというのが、がん治療や緩和ケアに携わってきた私の見解です。

 なぜなら、がん患者のうつ症状の原因は、心理的なことはもちろんながら、痛みなどの身体的なこと、そして、経済的・社会的なことなど様々な側面が複雑に絡み合っていて、個々それぞれで異なるからです。
 また、同じ人でも、病気の状態、進行度合いによって、こころの状態も時節移り変わりますから、その時、その方に適した個別的な配慮を十分にしながら対応していくことが大切になります。

まずはご自身が「がん」と向き合うという気持ちを持ってみてください。意識を向けることから始まります。

まとめ

以上、「がん」と「うつ」の関係性について記載しました。

 この切っても切れない密接なつながりをもつ「がん」と「うつ」。
「がん」または「うつ」、あるいはその両方で、お悩みの方にカウンセリングを行っているのが当店のカウンセリングサロンです。

 心理カウンセラーの中でも、「がん」と「うつ」を専門にし、そして、がんの治療方法やうつの薬物療法について、きちんと把握してカウンセリングやアドバイスを行えるところは極めて珍しいかと思います。
 薬剤師として薬に精通し、また、がん治療の最前線で積み重ねた知識と経験があることが、当店の最大の強みと自負しています。

 「がん」と「うつ」
この2つは、様々な病気の中でも、現在最も多い病気に位置するといっても過言ではありません。

 辛い思いをされている方、お悩みの方に、少しでもお役に立つ『こころの緩和ケア』をするお手伝いができればと思い、日々カウンセリングやメンタルサポートを行なっております。

 ご興味のある方は、お気軽にご連絡ください。

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